50の手習い。「オッサンの管釣りブログ」

50を過ぎてから管マス釣りを始めた素人オッサンの記録と、何故かフェラーリのメカニズム解説、自作ギターアンプやオーディオアンプの紹介、副業である執筆業のことも時々解説しちゃう。

番外:自作ギターアンプの紹介その2

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今日も平井さんと自作ギターアンプのネタでいってみたいと思います。

今まで平井スペシャルのアンプにチャレンジし続けていた訳ですが、その集大成というか、やっと音的に合格点になったのが、試作品として製作した通算5作目のプリアンプでした。

 


自作ギターアンプ プリアンプ5号機

結構嬉しそうに弾いてる平井さんですが、ここまでくるのがホント大変でした。

その道に足突っ込んじゃったからしょうがないんですけど、プロのレベルでガンガンリクエストしてきます。で、耳が物凄く良いから、最初のうち私は音の違いが良く分からなくて、言われたことを理解したふりして、適当に相槌を打っていたことが結構ありましたね。特に平井さんレベルに合わせてミッド付近の周波数を聞き分けるのは、結構慣れを要しました。

自分の音のイメージをしっかり持っているから、機材の方をそれに極力近づけてくれというスタンスですね。

特にトーンコントロール回路へのリクエストをクリアするのが大変で、ざっくり説明すると、ローは割と動く周波数が高目で、しかもそんなに動かない。ミッドは1kHz辺りを谷の中心にして動かして、ハイはバキューンと突き抜けるように。と、こんな感じです。

シミュレーター使って値を色々変えながら、実物も何回か作り直してやっと完成させました。

でもこれって、6弦をしっかり揺らせる平井さんだからこそのセッティングで、普通の人が弾くと低音が物足りなく感じるかもしれません。

あと、歪へのリクエストがスゴイ。(笑

前の4作は、ずっと歪が足りないと言われ続けてました。あとサスティーン短いも結構言われてましたね。

で、下がプリアンプ5号機の回路図なんですが、

 

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(クリックすると拡大します)

プリ管は5755×3、整流管はEZ81という構成です。

ヒーターはDC点火とか、クリーンとODを切り替えるのにFETのフォトリレーを使っているあたりが、元々オーディオアンプを作っていた名残りですかね。

5755というプリ管の特性は、12AX7系と比べると増幅率が低いとか、ギターアンプレベルではあまり歪まず、どんどん入力を増やしても、そのまま歪まずに耐えてからいきなり発振するという特性でして。そこで苦肉の策で、片側の波形だけ潰す段を増設し、それをODとして切り替えられるようにして対処してます。

ギターアンプ回路に詳しい方ならば、トーンコントロールカップリングコンデンサの定数に、苦労の痕跡を見つけて頂けるのではないかと。

あと、動画で「トルク」と表現しているツマミは、トーンコントロールのハイパスコンデンサに、可変容量のコンデンサをパラで接続し、ハイパスの周波数特性を変更できるようにした回路です。

あと、オーディオのようなトーンコントロール回路も追加しているのが独特ですね。まずは勝手に付けてみてから平井さんに、「このトーンコントロール要る?」と聞いてみたら要ると言われたので。何でも場所固有の反響音とかを補正するのに便利という、高度な理由でした。それから必ず付けるようにしています。

出力はカソードフォロアでレベル切り替え付き。+4db、0db、-10dbと、レコーディング機材からオーディオアンプまでの入力レベルに対応しています。

上の回路図通りに製作すれば、平井スペシャルプリアンプになりますよ。

 

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試作品として作ったので、全然デザインとか考えてません。適当に穴開けて、乗っけるもんを乗っけただけ。 

 

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裏はこんな感じです。妙にコンデンサの数が多い。

アースは母線を使って、シャーシには1点で落とすっていうのも、オーディオアンプっぽい作り方ですかね。

試作ですから、まとめ買い品とかを駆使して安く仕上げたんですけど、重要なところは本チャン部品を使ってます。ちなみに部品代の総額は、確か3万円台の後半だったかな。

カップリングにはスチロールコンデンサを使うのが平井さんの好みなんですが、大容量で耐圧が高い品は枯渇してきました。そろそろ代替品を考えないといけません。

前回と同じまとめになってしまいますけど、次作も合間を見ながら少しづつ進めていきたいと思います。