50の手習い。「オッサンの管釣りブログ」

50を過ぎてから管マス釣りを始めた素人オッサンの記録と、何故かフェラーリのメカニズム解説、自作ギターアンプやオーディオアンプの紹介、副業である執筆業のことも時々解説しちゃう。

フェラーリのメカニズム解説その11:330GTCのエンジン

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FERRARI 330GTC engine

写真はフェラーリ330GTCの1968年モデルのエンジンで、メンテナンスを終えボディーに搭載する直前の様子だ。

伝統のコロンボエンジンで、ボアは77mmに対しストロークは70mmとなり、排気量は4Lまで拡大されている。

概要を簡単に解説すると、OHCの2バルブ、カムはチェーン駆動、エンジン前端の左側に装着された機械式の燃料ポンプは、クランクに設けられたカムで駆動され、キャブレターは2気筒で1つのバレルを共用するためツインチョークタイプが3基である。

OHCのため、カムシャフトからロッカーアームを介してバルブを駆動しているが、ロッカーアームとカムの接触部にローラーを用いてフリクションの低減を図る構造を採用し、それは当時のフェラーリエンジンの定番であった。

ポイント点火のディストリビューターは各バンクごとに1つ装着され、カム後端に設けられたギアで駆動される。

以上のように、当時のフェラーリエンジンの流れの中でオーソドックスに纏められた印象を受ける内容であるが、スポーツモデルとはカムシャフトの作動角を変更することにより、エンジンのキャラクターを造り分けている。

当時のスポーツモデルは排気上死点のオーバーラップが70度前後であったのに対し、330では40度程と少ない。これはモデルの用途を想定し、ピークパワー優先で突き抜けるような吹け上がりを求めるよりも、ツーリングのような走り方での快適さを求めた結果であろう。

実際、公道で多用する2,000rpmから6,000rpmの間ではトルクフルで、12気筒特有の燃焼間隔が短い滑らかなフィーリングでありながらも、回転上昇に伴いながらフェラーリ特有の「吠える」エンジンに仕上げられている。

ひたすた飛ばし続けるというよりも粋に移動すること、オープンモデルも存在し、のんびリ走ってもフェラーリという目的として作られたであろう330 GTCのキャラクターに相応しい仕立てのエンジンである。

 

 

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