50の手習い。「オッサンの管釣りブログ」

50を過ぎてから管マス釣りを始めた素人オッサンの記録と、何故かフェラーリのメカニズム解説、自作ギターアンプやオーディオアンプの紹介、副業である執筆業のことも時々解説しちゃう。

フェラーリのメカニズム解説その10:365GTB/4 デイトナのエンジン

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365GTB/4 (daytona) Engine

写真は365GTB/4(以下はデイトナと表記)のエンジンだ。

前モデルである275GTB/4でツインカム化され、デイトナでは排気量を拡大されている。

このエンジン最大の特徴はカムの駆動方法で、275GTB/4デイトナ共に同様の構造で独特な設計である。

それは、シリンダーヘッドにクランクからチェーンで駆動されるギアが取り付けられ、そのギアとカム前端のギアが噛み合いカムを回転させるという、チェーン駆動とギアトレーンが組み合わされた構造になっている。

これは外見からは分からないのだが、412までコロンボエンジンの流れの中で、上記の2モデルだけは、間にギアが挟まるためカムシャフトの回転が逆となる。

その、シリンダーヘッドに取り付けられたカムを駆動するためのギアは、OHCの頃のカムシャフトが付く位置に相当するので、275GTB/4では最小限の部品変更でツインカム化された構造を、大きな設計変更することなくデイトナでも踏襲したという流れであると想像できる。

そんな苦心して設計されたことが垣間見えるデイトナのエンジンであるが、フィーリングはパワフルで荒々しく、レッドの7,700rpmまで一気に吹け上がり、その軽量なボディーを一気に加速させる。後のレースでの輝かしい戦績は、ベース車両の性能が大変優れていたことも大きく寄与したに違いない。

デイトナ以降のコロンボエンジンは排気ガス規制を受けることとなり、排気量の拡大で対応を試みるも大幅なパワーダウンを余儀なくされた。

そのせいもあってか、FRの12気筒モデルはピュアスポーツ路線から一転し、豪華装備と快適なツーリングをアピールする方向へと変化していった。

数々の変更を受けながら長きにわたり使い続けられたコロンボエンジンの中で、デイトナに搭載されたものが最強であると私は思う。

 

 

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