50の手習い。「オッサンの管釣りブログ」

50を過ぎてから管マス釣りを始めた素人オッサンの記録と、何故かフェラーリのメカニズム解説、自作ギターアンプやオーディオアンプの紹介、副業である執筆業のことも時々解説しちゃう。

フェラーリのメカニズム解説その8:Dino206と246のエンジン内部を比較する①

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さて本日は、メカニズム解説にしてみたいと思いますが、今回は例の物書き風ではなく、いつもの釣れないオヤジ口調でいってみます。

テーマは、Dinoの206gtと246gtのエンジン内部を比較して、どんな方法で2Lから2.4Lへ2割も排気量を上げているのか、Wikiとかに書かれている、246のエンジンは206のエンジンをコストダウンした物だという説は本当なのか、主にそれらに焦点を当て解説していきたいと思います。

ですから、いつもの1000文字位で1話完結のスタイルよりも文章は長く、写真は多くなります。そのため、2~3話に分けたいと思います。

今回は写真を主体にして、見た目や大まかなスペックの違いを、さらっと目に解説していきます。

 

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Dino 206gt cylinder block

206gtのシリンダーブロックです。アルミ製で鋳鉄のライナーが嵌め込まれています。ボアは86mmでストロークは57mm。

 

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Dino 246gt cylinder block

で、こちらが246gtのシリンダーブロックで、鋳鉄製です。20年前に撮った写真なので、画質が荒いのはご容赦願います。206の写真はiPhoneなんですが、携帯なのに当時のデジカメとは比較にならない位画像が綺麗。技術の進化ってスゴイですね。

ボアは92.5mm、ストロークは60mmです。

 

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Dino 206gt crankshaft

206gtのクランクシャフトです。前回の解説で触れた通り、バンク角120度で120度クランクの、ピストンピンを共有したV6エンジンと同じピストンの動きになるよう、複雑な位相クランクを採用しています。

Dinoのクランクピンは1気筒につき独立した1つとなるため、間に挟まれるカウンターウエイトが普通のV6より3枚多くなり、その寸法分クランクシャフトは長くなります。

 

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Dino 246gt crankshaft

で、こちらが246gtのクランクシャフトです。大まかな形状は同じで、ストロークアップした分直径が大きくなっています。

 

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Dino 206gt cylinder head

206gtのシリンダーヘッドです。半球形燃焼室の造形が美しいです。

当時の高性能を追求する手段として、いかに燃焼室を綺麗な半球形にするかという拘りの見本のような仕上がりです。

 

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Dino 246gt cylinder head

こちらが246gt。206と寸法は大体同じですが、カムチェーンテンショナーが改良され、206では片側だけなのに対し、246ではチェーンを両方から押さえる構造になっています。その部品を取り付ける穴がヘッド横に開いていることが、ヘッド単体での206と246の識別点です。

246でボアは大幅に拡大されている訳ですが、ヘッド側の燃焼室直径は206同様の寸法で、特に拡大されていません。

さてこのような感じで比較材料となるネタは出揃いました。

次回は文章を主体に解説を進めていきます。

 

 

これが私手習いオヤジの著書であります。

もし解説記事が良かったと思われましたら、是非ともご購入のご検討を宜しくお願いいたします。