50の手習い。「オッサンの管釣りブログ」

50を過ぎてから管マス釣りを始めた素人オッサンの記録と、何故かフェラーリのメカニズム解説、自作ギターアンプやオーディオアンプの紹介、副業である執筆業のことも時々解説しちゃう。

番外:ギターアンプに使っている部品 線材編

 

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さて今回はアンプネタで、私がギターアンプに使っている線材を解説してみたいと思います。

オーディオでもギターでも同じような配線を使っているつもりでいたのですが、これを書くにあたり手持ちの配線を確認してみたら、あれ意外と色んな種類使い分けてるじゃん。となりまして、今回はギター系で使っている配線限定ということで、これにエフェクターも入れちゃうと分量が多くなりすぎるので、ギターとギターアンプに限って紹介してみたいと思います。

 

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Western Electric 20AWG vintage wire

 まずはこれから。伝説のWestern Electric社(以下ウエスタンと表記)が製造した、20AWGの単線です。この線は、見るからに材料コストと手間の両方をかけている品で、銅の単線にブラックエナメルでコーティングした後、細い絹糸をグルグル巻きつけ、更に綿を織った外皮を被せて、ワックスでコーティングしてあります。写真は、中の絹糸が見えやすいように外皮だけ剥いてみたところです。

オーディオを齧りかけの頃、色々調べるとやっぱウエスタンの品が欲しくなりまして、この線を注文して届いた時には驚愕しましたね。1本の線を、何でここまで手間をかけて作っているんだと。

しかもこの線は1951年製ですから、その頃の日本は、やっと主権を回復し復興に向けた混沌の中です。何というか当時のアメリカとは技術力や工業力が違い過ぎるというか、線1本にしても色々と考えさせられるものです。

この線を、私はギターアンプ初段周辺の信号線やギターの内部配線など、長く引き回さないところに良く使い、オーディオアンプでは基本的に使ってないです。明るさと力強さをプラスする隠し味みたいな使い方をしています。

取扱いにはちょっと注意が必要で、エナメルを剥く時に銅線に傷をつけてしまうと、折れやすくなります。

使い方は割と用途限定なので大量には消費しないのですが、文化遺産みたいな線材なのでストックはしておきたくて、残りが1m位になったら2m補充するとか、そんな感じで購入してます。

 

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Mogami 2514 & 2515 wire

次は私がアンプ内部の配線でメインに使っているモガミ2514と2515です。信号線やDCの高圧部分、アースラインなど基本的にこれで、太さで耐圧が違うので2種類を使い分けてます。

ギターアンプを作り始めた当初は、ベルデンの線に共通したキラキラした感じが良くて、アンプ内の線を全部それで組んでいたんですけど、1種類の癖がある線だけ使うとデメリットがありまして、ジャリジャリした音が残って修正に困ったことなどありました。

そこで、アンプ1台当たり数mとか使うメインの配線材は、なるべく音の主張が無い品を使おうと思い、辿り着いたのがこの線でした。無酸素銅の極細線を撚ってあり、被覆は伸びが少ない材質で、色は透明とか、ぼやっとした発色が特徴です。で、アクセントに一部だけ癖のある線材を使った方が、私は音の調整がしやすいです。

他のパーツの音色を引き立てる隠れた主役という渋い存在で、ドラマで例えると、助けてくれたけど名乗らずに立ち去る人で、麻雀に例えると、ダマテンのメンタンピン三色イーぺーコーバンバンで跳満くらいかな。

 

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BELDEN 8451 & 88760 cable

ベルデンの8451と88760です。

 

パソコン出力からオーディオアンプに繋ぐシールド線を、長さを敢えて3m以上とかにして線材の音が分かるように作って色々な種類を試してみたところ、この2種類が残りました。

同じベルデンで見た目が同じような品でも、型番によって全然音が違うことは驚きでした。高速データ通信用のケーブルとかも面白かったんですが、ハイ落ちしないのと聞き疲れしないことをポイントに選んだ感じです。

これらはアンプ内部のセンド、リターンや帰還部に使っています。当初は赤くてカッコ良いということもあって、88760の方を使う頻度が高かったのですが、固くて取り回しが良くないので最近は8451の方がメインです。

 

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BELDEN bus wire 8019

アースは母線方式にしてまして、ベルデンの錫メッキ8019を使ってます。太さは18AWGだったかな。

 

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BELDEN 8522 wire

現在使っている主流はモガミでも、電源まわりの交流の配線にはベルデンを使ってます。

モガミは被覆が固くてツイストしにくいのと、ベルデンは18AWGで耐圧が1,000Vの品があるとか、そんな理由なので錫メッキの撚り線で耐圧が高ければ、そんなに型番には拘っていないです。

18と20AWGを常にストックするようにしていて、ちなみに現在の手持ちは8522でした。

 

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Western Electric shield cable

これは番外かな。ウエスタンのシールド線です。

昔のこたつに使ってそうな線を、私がオーディオ自作を始めたばかりの頃、ウエスタンのパーツ欲しい病に罹って、確か1m当たり8,000円位で買ってます。

錫メッキの単線で、内部の線の被覆にはセロハンみたいな透明なものが巻いてあって、外側の網との間には紙が詰まっています。何かこれもスゴク生産するのに手間がかかっている品ですが、単線シールドというのが私的には使いどころが難しくて、買ってから暫くは出番が無く、ある日試しに自分のギターに使ってみたら、これ良いじゃん。となりまして、平井さんのESP製ギター内部にも使ってます。

 

最後にアンプの入出力ケーブルです。

これは平井さんと同じ品で、何故かというと平井さんと同じ品にしないとアンプの評価が変わってしまうからという理由です。平井さんは何とも恐ろしいほどの耳の持ち主であります。

写真は無いのですが、ギターに繋ぐシールドはベルデンの9395で、長さも平井さんと合わせて5m、でも平井さんのプラグはスイッチクラフトで、私の場合ノイトリックのNP2X-Bなんですけどね。自分でケーブル作れば、この組み合わせでも3,000円台で収まりますよ。

 

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BELDEN 9497 cable

スピーカーケーブルは超定番の、私はウミヘビと呼んでいるベルデンの9497。これは以前に作った品なのでプラグはスイッチクラフトですけど、これも現在はノイトリック使ってます。これは自作すれば2,000円前後かな。

この線の特性は中域がパワフルな反面、こんだけツイストしてあると静電容量も大きくて、実測値で1m当たり130pF位あります。これはかなりの数値で、長く取り回すと極端にハイが落ちてしまうということです。だから私がこの線を使う時は極力短く、 アンプとスピーカーの最短距離にしています。

 

以上が自分がギターアンプに使う線材の紹介でした。

ちなみにここは、オッサンが釣れねーとボヤきながらもニジマス釣りに通い続けるブログです。(笑