50の手習い。「オッサンの管釣りブログ」

50を過ぎてから管マス釣りを始めた素人オッサンの記録と、何故かフェラーリのメカニズム解説、自作ギターアンプやオーディオアンプの紹介、副業である執筆業のことも時々解説しちゃう。

フェラーリのメカニズム解説その19:F1システムの故障診断⑥ 油圧系の解説まとめ

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ここまで数回に渡りF1システムの油圧系について解説してきましたが、ここで一度内容をまとめてみたいと思います。

油圧系のトラブルで症例が多い順番に並べてみると、一番多いのがF1ポンプのモーターが停止してしまい、システムを作動させる油圧が発生しなくなること、次はクラッチレリーズシリンダーからのオイル漏れと、その弊害によるトラブル。その次にはアキュームレーターの不良、アクチュエーター内部のオイルリークとなります。

そして稀なケースとしては、油圧を断続させるソレノイドバルブの不良や、高圧ホースの破裂などがありました。

ただ、うちの場合は同業者さんからの依頼も多く、他所で色々作業した末に来ることもあるので、トラブルの比率はひょっとすると片寄っているかもしれません。

今回でF1システムの解説6回目になる訳ですが、システムを構成する機械、電装、油圧の各部品のうち、まださわり程度の簡単に解決できそうな症例と、油圧系を解説したに過ぎません。

これからは機械系と電装系でのトラブル実例と、それらが複合した事例、アクチュエーター内部構造の解説と、その修理方法といった順番で解説を進めていきたいと思います。

まだまだ序の口なので、最終的には「F1システムの故障診断⑳」位までいくのではないかと。

今後もしつこい位に書くと思いますが、これまで紹介した例で、どの部品がダメになったとしても、ギアが入らない若しくはギア抜けして走行中にニュートラルになってしまうという症状にしかなりません。

そこで、ギアが入らないにしても、警告は点灯するのかとか、異音を伴うのかとか、エンジンが発生する熱、例えば冷えている時は正常でも走っているうちに悪化してくるとか、そういった微妙な違いを過去の症例と照らし合わせて判断していく訳であります。

今となっては信頼性が高いとは言えないF1システムに向き合うことの苦労を知って頂きたいという意図はありますが、他にも今後読み進めて頂くうちに、例えば電話の問い合わせで多い、「ギアが入らないけど何が原因ですか?」とか、「警告が点灯しているけど修理に幾ら掛かりますか?」といった質問が、いかにナンセンスかも理解して頂けるのではないかと思います。

次回からはF1システムを構成する機械的な部品、要はマニュアルミッションと何ら変わらないクラッチ周辺部品の不具合による症例の解説に移る訳ですが、次回の更新は緊急事態宣言の解除を受けまして、書き溜めていながらも自粛によりアップを控えていた釣り行記を挟んでみたいと思います。

その後またF1システムに戻りますので、お付き合いの程、宜しくお願いいたします。

 

 これが私手習いオヤジの著書であります。
もし解説記事が良かったと思われましたら、是非ともご購入のご検討を宜しくお願いいたします。